結婚相談所の成婚率の実態【成婚率の定義は各社異なるので注意が必要】

結婚相談所を選ぶ際、結婚相談所のホームページやインターネットの広告バナーなどで、よく「成婚率」という言葉を見かけますよね

「どうせなら成婚率の高い結婚相談所に入会したい!」「成婚率の高い結婚相談所に入ったら自分も結婚出来るかも?!」と考える方もとても多いです。

でも「成婚率」は実は算出方法も定義もバラバラです。今回は、結婚相談所が掲げる成婚率についての実態を詳しく解説します。

成婚率とは?

結婚相談所の成婚率が高いという表示があるだけで、婚活もうまくいきそうと安易に考えがちです。

実は、算出方法が結婚相談所によってまちまちだったり、「成婚」とは何を意味しているのかなど、その定義や違いを正しく理解している人はなかなかいません

結婚相談や結婚情報サービス業と一口に言っても、大手結婚相談所(データマッチング中心)のものと、中小の結婚相談所が連盟に加盟して紹介しあっているものがあります。

「結婚」と「成婚」の違い

結婚相談所では結婚が決まった時に結婚ではなく、「成婚」という言葉を使っています。

結婚と成婚には違いがあります。

結婚は「婚姻届けを提出すること」つまり、入籍までですが、結婚相談所のサービスは結婚までではないので、「成婚」という言葉を使っています。

【結婚相談所の成婚】

婚姻届けなどを出すまでではなく、結婚相談所が「成婚と見なす」段階の事

そして、その「成婚と見なすケース」は、相談所によってまちまちなのです。

後述するオーネットなど、大手のサービスでは詳しい成婚の定義を決めていません。

その他、「結婚を見据えたお相手が見つかった」「結婚の約束を交わした」「宿泊を伴う旅行をした」「婚前交渉をした」「(まだ結婚は決めずに)同棲を始めた」といったまだ婚約とは思えない段階でも成婚と見なして退会としている結婚相談所も多いのが実情です。

交際中の休会や成婚退会のタイミングは相談所によって違う

成婚退会のタイミングの違い

成婚と見なすケースが違うという事は、結婚相談所によって成婚退会の時期が違っているという事になります。

たとえば、下記のような違いがあります。

  • 結婚相談所A社「結婚を視野に入れた交際をスタートした時点」で成婚退会
  • 結婚相談所B社「プロポーズをした時点」で成婚退会
  • 結婚相談所C社「プロポーズをして双方の親に挨拶をし終えた時点」で成婚退会

これらの違いでは、成婚退会しやすいのはA社で成婚率も高くなります。

しかしながら、「プロポーズはまだで婚約には至っていない時点」で成婚退会をしてしまった場合、その後何らかの事情で結婚まで至らないケースも多々あります。

色々な結婚相談所のホームページを見ていると成婚率が50%以上を謳っている結婚相談所も多く、中には70%、80%の高い数字を謳っている結婚相談所もあります。

公開している成婚率が高ければ、成婚実績が高い結婚相談所のように思えますが本当なのか気になりますね

次項で詳しく説明します。

成婚率の算出の仕方の違い

結婚相談所が出している成婚率は分母が違っているケースがあります。

成婚率の算出方法の違い

Aは、結婚相談所の全会員数のうちの成婚者数の割合で、Bは、退会者のうちの成婚者数の割合です。

仮に、結婚相談所の会員数が100人、今年の退会者数が20人、今年の成婚者数が10人だったとします。

成婚率を出すときの人数

退会者の中には結婚出来ずにやめた人も含まれていて、結婚が決まらずにやめた人の10人も含まれています。

成婚率の計算方法の違い

Aの計算式だと成婚率は10%、Bの計算式だと成婚率は50%です。

今年の成婚者数の10人は変わらないのに、計算方法が違うと成婚率が10%から50%に変わり、成婚率を出している結婚相談所はたいていBの計算式です。

たとえば50%の成婚率だとして、「2人に1人はご成婚している」と言えば聞こえがいいですが、退会者数を分母にしているのなら、「半分はご成婚出来ずにやめてしまっている」という事になります。

活動がうまくいってなくても続けていればいつかご成婚になるという事もありますが、結婚相談所の活動をやめてしまっては元も子もないのです。

もちろん、やめてしまった人が全員、うまくいかなくてやめてしまったというわけではなく、結婚相談所以外での出会い、たとえば友達や職場の紹介などでご縁があって退会するという人もいます。

でも、大半は結婚相談所の活動がうまくいかず、諦めてやめてしまっているという事が多いので、とてももったいない事です。

成婚率が高い結婚相談所の実態

結婚相談所は連盟で繫がっているので、仮に会員数が1人だけの結婚相談所で、その1人の会員が結婚すれば成婚率100%です。

また、そもそも結婚相談所は、学校などと違って入会するタイミングも年齢もまちまちなので、成婚率の表記で、活動している期間が書かれていなければ、1年で成婚した人と10年かかって成婚した人がいても同じ成婚率になるというわけです。

活動時期や活動頻度(お見合いが成立する確率やお見合い回数など)も人によって違うので、成婚率を出したり成婚率でその結婚相談所の良し悪しを判断するのは難しいと言えるでしょう。

成婚率の事実
  • 会員数が1人の結婚相談所で、その1人が結婚しても成婚率100%
  • 期間の記載がなければ、1年で成婚した人も10年かかって成婚した人も同じ成婚率

日本結婚相談所連盟(IBJ)の成婚率

連盟は結婚相談所を取りまとめる組織の事で、今はどこの結婚相談所もたいていこの「連盟」で繋がってお相手を紹介しています。

この連盟があるおかげで、連盟に加盟さえすれば会員がまだゼロでも数人でも結婚相談所が開業出来てしまう時代です。

日本最大の会員数を誇る連盟は、日本結婚相談所連盟(IBJ)で、IBJでは結婚相談所の開業ブームが起きていて、その中には専業主婦の副業や定年を迎えた男性の起業などでも結婚相談所を開業しています。

開業したての結婚相談所も実力のあって成婚率が高いところもあると思いますが、ある程度開業後の年数が経っているところがおすすめです。

連盟はIBJ以外にも幾つかあり、それぞれに特徴がありますので、結婚相談所の連盟の一覧や比較をしている記事も確認してみるのも良いでしょう。

【詳しくはこちら結婚相談所の連盟の一覧 ~会員数や特徴を比較~」】

成婚者数だけを発表しているところもある

大手結婚相談所は「成婚者数」という形でも発表しています。

大手結婚相談所の年間成婚退会者数

上記を見てわかるように楽天オーネットとパートナーエージェント以外は自社会員同士の成婚者数を公表していません。

自社会員同士の成婚者数は発表出来ないくらい少ない人数と予想できますね

経済産業省発表の成婚率

経済産業省が平成21年度に調査し、平成22年2月に報告書を発表した「結婚相談・結婚情報サービス業界統計」というものがあります。

これは、三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して行った調査で、一般のインターネットモニターアンケートで51,894 人から回答を貰って、その中で結婚相談所を利用した1,205 人からの回答結果を元に、まとめられた報告書です。

この報告書によると「サービス利用後の婚姻の状況」として下記の記載があります。

サービス利用経験者のうち、男性 21.3%、女性 20.0%が「サービスで知り合った人 と結婚をした・婚約中」と回答している。「サービスで知り合った人ではない人と結婚 をした・婚約中」と併せて 5 割弱がサービス利用後に結婚または婚約をしている。

引用:結婚相談・結婚情報サービス業界統計

少し前のデータになり、昨今では異業種の大手が婚活サービスに参入するなど、年々新しいサービスも出来ているので、変わってきているとは思いますが、ある程度参考になると思います。

この報告書で、サービスを利用しても5人に1人くらいが結婚または婚約という事になっていますが、この数字をどう捉えるかよりも、婚約も含まれているという事は実際に結婚となったかまではわからないという事になります。

これは、前述したようにそれぞれ成婚の定義やタイミングが違うため、成婚率の算出の出し方も違っています。

大手結婚相談所の成婚率の実態

オーネットの成婚率

業界最大手と呼ばれるオーネットが発表している成婚率は、23.9%です。

成婚退会数が、11,783名なので、 成婚退会者数 ÷ 会員数でこの数字となるようです。

但し、オーネットのホームページの「ここが知りたいQ&A」のページの「成婚料はかかりますか?」の問いに対して下記の答えの記載があります。

成婚料はいただいておりません。ご成婚時に支社にご来社いただくとささやかながらお祝いをさしあげていますので、ぜひ吉報をお知らせください。

引用:オーネットの公式HP

「ぜひ吉報をお知らせください。」と書かれているところに着目すると、オーネットの成婚は自己申告です。

オーネット側はこちらから申告しない限り成婚も把握していないという事が言えます。

オーネットには成婚料はない替わりに、交際期間や交際定義・成婚定義が決められていないという事でもあります。

つまり、成婚率は退会時に本人が成婚だと言えば成婚となりカウントされている状態です。

オーネットの口コミ・評判はこちら

会員期間が決められている落とし穴

オーネット他、ツヴァイ、サンマリエ、ノッツェなど大手の結婚相談所では、会員期間を1年や2年と決められて会費をまとめて先払いしているところが多いです。

そうなると、会員期間が満了するタイミングで結婚を視野に入れた交際相手が見つかっていれば、またお金を払って会員期間を更新するのはもったいなく感じてしまい、退会してしまう方も多くいます。

そして、実際には、結婚にまでは至らずでお別れになってしまう事にもなります。

成婚料のあるなしの違い

退会をしてから実際に結婚したかどうかまでは把握していない結婚相談所が殆どなのが実情という事もわかってきました。

特に成婚料のない結婚相談所は、成婚退会後に実際に結婚までに至っていないケースが多いのです。

結婚は本人同士だけでは決められない事も多いため、親御さんが絡んで破談になってしまう事もあります。

きちんとプロポーズをして、出来れば双方の親御さんに挨拶までをしてから結婚相談所を退会をするのが安心です。

そこまでを見届けるサポートがあるところはたいてい成婚料があります。

退会時に成婚料があれば結婚への覚悟が決まる事にもつながりますし、成婚料がある結婚相談所はご成婚を把握しているという見方も出来ます。

大手結婚相談所に成婚料がない理由

大手の結婚相談所には成婚料がないところがほとんどです。

これには理由があります。

大手結婚相談所への入会は、電車内や雑誌の広告、街の大きな看板などを見て入会する方が大半なのですが、大手の結婚相談所はその広告費に多額のお金をかけます。

つまり、会員数を集める事に投資しているため、その後のサポートはあまり期待出来ません。

会員数が多ければ月の会費だけでも相当な収益になりますし、成婚するかどうかわからない成婚料よりも、確実な入会費用と月会費で利益を見込みます。

もっと言うと成婚料がないところであれば、成婚して退会してしまうより、ずっと会員でいてくれた方が月会費を貰い続ける事が出来るので、利益が見込めるという事になります。

そのほか、結婚相談所の料金設定については、カラクリとも言える理由があって、その料金設定になっているので、入会前に納得出来る料金なのかは知っておかないと後悔します。

知らないと損をする!結婚相談所の料金の仕組み

大手結婚相談所の成婚率が低い理由

大手結婚相談所が発表している成婚率は、一桁程度の低いものになります。

これはご成婚へのサポートが殆どなかったり、成婚料がなくて成婚を把握していないので当然の結果とも言えます。

担当者がつく場合も1人の担当者(カウンセラー)につき60名~100名程度担当しているため、物理的に会員の活動状況を把握するのは不可能です。

大手結婚相談所は、婚約(結婚をする意向)までは把握出来ても、その先に実際に結婚出来たかまではなかなか把握出来ていません。

つまり、大手のサービスが出している「成婚率」は、実際にプロポーズをしているかなども把握出来ていないので、あてにならない数字です。

結婚相談所の年代別成婚率の実態

結婚相談所の成婚率は、今まで書いてきたように結婚相談所によって成婚の定義が違うので、一様に比較をする事が出来ません。

年代別の成婚の具体的な数値データを公開している結婚相談所もないのが実情ですが、結婚相談所の登録の年齢を元に成婚率の傾向について書いてみました。

30代の実態

結婚相談所で活動している年齢層で最も多いのは30代です。

しかし、結婚相談所全般的に女性は、40代半ばくらいを過ぎなければ同年代の男性よりも多く登録されており、30代では圧倒的に女性の登録者が多いのがわかります。

さらに男女で希望する年齢とお見合いが成立しやすい年齢にはズレが生じている事が大半です。

年齢を重ねるとともに女性は年齢の近い男性を希望し、男性は年齢が離れた年下の女性を希望する傾向があります。

一般的に女性は5歳差くらいまでの男性を希望し、男性は5歳以上年下の女性を希望している事が多いので、女性は1歳でもはやいうちに活動するか、40代の男性を視野に入れるようにしないと成婚しづらいという事が理解出来るはずです。

当然の事ながら、希望年齢にあまりこだわらずに活動してみる事で成婚率も高くなります。

20代の実態

女性には妊娠適齢期があり、子供がほしいと考える男性は20代の女性を希望しているという方が多いですが、それだけではなく、先述したように昨今の結婚相談所の30代は女性の方が圧倒的に多くなってきています。

女性は30歳を過ぎてから結婚相談所で活動しても既に成婚しづらくなっている傾向があるので、20代のうちから活動するのは断然おすすめです。

また、20代の男性もまだ登録者が少ないので、20代女性のお見合い相手のほとんどは30代になります。

そのため、20代男性は、20代女性からは同世代として貴重ですし、少し年上の30代女性も許容範囲とすれば断然モテます。

20代男性が年上の女性を許容範囲にすると、なかなかお見合いが組めなくなっている30代を越えた女性とのお見合いが成立しやすく、成婚率はグッと上がります。

20代のうちなら男性よりも女性が年上であっても十分子供も望めます。

すでに、IBJでは若い女性の登録が増えており、サクラなのでは?と思われるほどの美人の登録が増えていますので、迷っているならいち早く動いてみる事がおすすめです。

逆を言うと女性が30代になってからIBJを検討してももう手遅れといった難しい状況にもなっています。

【詳しくはこちらIBJの女性会員のレベルや年齢層」】

50代の実態

最近、注目を浴び始めているのが50代の婚活です。

オーネットでも「オーネットスーペリア」という50代向けの婚活サービスも始めていて人気です。

男性は40代でもまだ子供を希望される方も多いため、40代の女性はどうしても結婚自体にも遠慮しがちになってしまいます。

しかし、50代ともなれば子供の希望は関係なくなってきて、今まで年下が良いと思っていた男性も話や価値観の合う同年代が良いと思うようになる傾向があります。

50代の男女比も男性が多くなるので、今までの年齢とは一転、女性が有利になっていきます。

離婚や再婚も増えてきているので50代以降の婚活は、年々成婚率も高くなってきており、活動期間も短い傾向です。

こちらの記事50代の結婚相談所の特徴  ~口コミも紹介~」も読んでおきましょう。

成婚率よりも信頼出来るものは?

ここまで読んできてくださった方は理解出来るかと思うのですが、結婚相談所の成婚率は相談所によって定義も違いますし、信頼出来る数字ではありません。

では何を信頼して結婚相談所選びをすると良いのか?結婚相談所のおすすめの選び方をお伝えします。

ホームページで具体的な成婚実績を確認

成婚率の数字だけを気にするよりもその結婚相談所のホームページの中身をよく見てください。

成婚実績の一覧、成婚者の声やアンケート、ご成婚者と一緒に記念写真を撮っていたりする結婚相談所は成婚実績があります。

さらに結婚相談所のホームページのブログや担当者のSNSを見たり、日頃、その結婚相談所の担当者がどんな想いでサポートしているかなどもわかり、自分との相性がどうかも考えていけるはずです。

無料カウンセリングでその実態を確認

結婚相談所はほかの婚活サービスに比べて、金額も高く提出書類も多いため気軽に利用する事が出来ないものなので、結婚相談所選びが慎重になると思います。

広告やホームページでの表面的な部分ではあてになりませんから、実際に結婚相談所に足を運んで面談をしてみるのは必須です。

たいていの結婚相談所は入会前に無料カウンセリングを設けていますが、良い事ばかりの営業トークもされます。

営業トークだけではない具体的なサポート内容を聞いて、どこの連盟に加盟しているか?会員数(担当者数)がどれくらいか?や、ご成婚実績などの具体的な数字も聞いてみましょう。

担当者との相性を確認

さらに担当者の「お人柄」も見て、どんな担当者だったら自分が活動しやすいかを考えていきましょう。

サポート重視で選ぶなら、個人経営の結婚相談所がおすすめです。

仲人型とも呼ばれるところで、下記のサイトでは結婚相談所の担当者のインタビューをまとめた動画を紹介しているので、結婚相談所選びの参考になります。

結婚相談所の担当者(仲人)のインタビューをまとめた動画サイト

また、入会前の無料カウンセリングをしてくれた担当者が実際の活動のサポートの担当になるのかも確認しておきます。

成婚率が高い結婚相談所であれば、ご成婚報告だけでなく、成婚退会後の会員の方からもいまだに連絡を貰っているところもあり、結婚式や出産報告などのエピソードもあります。

まとめ

結婚相談所の成婚率は、結婚相談所によって成婚の定義も算出方法も違っているという事を書いてきました。

「成婚率」という言葉は解釈によって変わってくるので、あてにならないものであると断言出来ます。

そもそも結婚相談所での活動は、「自分が結婚相手と出会えるかどうか?」なので、「成婚率はゼロか100%のどちらかしかない」という事です。

広告で謳っている高い成婚率に惑わされたり、成婚率を気にするよりも、実際にどんな人が結婚相談所で結婚が決まっているのかを知って自分に活かせるところは活かしていきましょう。